膿皮症とは皮膚に常在しているブドウ球菌(一般的に犬ではStaphylococcus pseudintermedius)という細菌が、何らかの原因で増殖し皮膚トラブルを引き起こす病気です。原因は高温多湿や誤ったスキンケアに因る環境の問題、アレルギーや脂漏症など動物の皮膚の問題、病気や高齢など動物の免疫機能の問題など様々です。その為、膿皮症は再発を繰り返す事も多く治療を進めていく上で、ブドウ球菌が増えた原因を探索する事が重要なポイントになってきます。
また、適切な治療が行われないと耐性菌が生み出されてしまい、難治性の膿皮症になってしまうケースも少なくありません。
適切な抗生物質の全身投与、シャンプーや消毒による外用療法など複数の治療を組み合わる事が推奨されています。
これからの時期は、膿皮症に気を付ける必要があります。皮膚のトラブルに気付いた際は動物病院に相談してみて下さい。
白内障の可能性はあります。ただ、犬の場合、核硬化症という変化が年齢とともにでてきます。これは水晶体の細胞が中心(核)に向かって分裂を繰り返すため、年齢を重ねるとどんどん核の部分が圧縮されていきます。この部分に光が当たると、光が乱反射して水晶体が白く濁ったように見えます。核硬化症は白内障のように水晶体のタンパク質が変性しているわけではないので視覚の障害はともないませんし、治療の必要もありません。
しかし、白内障の場合、進行に伴い治療が必要となりますので、定期的な眼科検診を受診されることをお勧め致します。
コロナウイルスは基本的には動物種を超えては感染しないといわれています。イヌやネコのコロナウイルス感染症がヒトに感染することもありません。しかし、今回の新型コロナウイルスは香港でイヌ2頭、ベルギーでネコ1頭、アメリカの動物園ではトラの感染が報告されました。イヌは無症状でしたが、ネコとトラではヒトと同様に呼吸器症状が認められました。日本獣医師会は、現時点での感染サイクルはヒト主体ですが、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触したペットへの感染も否定できないと発表しています。まだ未知なウイルスであり、突然変異の可能性も否定できないことから、飼い主さんが感染防御をしっかり実施するとともに、ペット達も過度な接触を避けることが大事です。まだまだ心配な生活が続くと思いますが、一刻も早く事態が収束することを願います。
熱中症にかかるとどんな症状がでますか?
熱中症は気温や湿度の高い環境に長時間いることや運動を続けることなどによって体温が上昇し、体温調節がうまくいかなくなることで起きます。体温が41度を超えてくると細胞が壊れ始め、多臓器不全になり、死亡してしまうことがあります。初期症状として、呼吸が荒い、よだれが出る、ぐったりするといった症状がみられます。さらに症状が進むと嘔吐、下痢、意識障害、痙攣発作を起こしたりすることもあります。
熱中症が疑われたら、すぐに動物病院で診察をしてもらいましょう。もし、すぐに病院に行けない場合は、水道水をからだ全体にかけ続け、全身を冷やすことがとても重要です。呼吸が落ち着いてくるのを確認し、首、股、脇などに保冷剤などを挟んで体を冷やし、その後、病院へむかいましょう。
ケンネルコフはその名の通り、幼犬が咳をするという症状で来院されることが多い病気です。原因はウィルスや細菌、マイコプラズマといった病原菌による複合感染であることが多いです。ケンネルコフは幼犬のイメージが強いですが子犬を迎え入れてから先住犬が咳をし出したというケースもあります。寒さやストレスで免疫が下がっている犬がケンネルコフに感染しやすいので、この時期にあたらしい仔犬を迎え入れる予定がある方は注意してください。。また、咳だけでなくくしゃみや熱、鼻水なども出ることがあります。重症化すると食欲は低下し、肺炎になることもありますので早めの受診をお勧めします。
会陰ヘルニアとは、肛門周囲(会陰部)の筋肉の隙間から腹腔内の臓器や脂肪が飛び出る病気です。
肛門の両側が腫れることもありますが、片側のみに発生することもあります。会陰ヘルニアは会陰部の筋肉が弱く薄くなることで発症します。筋肉が薄くなってしまう原因に男性ホルモンの影響が関与しているといわれ、未去勢の中高齢の雄犬で多く発症します。その他にも腹圧の上昇や筋力の低下を引き起こすような病気が関係していると考えられています。会陰ヘルニアになると肛門周囲が膨らみます。飛び出る臓器によって症状が異なりますが、腸管が飛び出すと便秘や排便困難が見られ、膀胱が飛び出すと排尿障害が見られます。治療は飛び出した臓器を元の状態に戻し、筋肉の隙間を塞ぐ外科手術が推奨されています。
また、男性ホルモンが関与しているため、去勢していない犬は同時に去勢手術を行います。会陰ヘルニアは去勢手術をすることで発生率は低下するため、若いうちに去勢することが予防につながります。自宅での肛門周囲の腫れや排便排尿状態の確認はこまめに行いましょう。何か異常があれば早めに動物病院に相談しましょう。
愛犬が突然ふらついたり、首を傾けてしまったり、ぐるぐる回ってしまう様なことはありませんか。
それはもしかしたら前庭疾患の症状かもしれません。
前庭疾患とは、前庭と呼ばれる平衡感覚をつかさどる領域が侵されたことにより、神経症状が現れた状態です。
前庭は末梢(内耳)と中枢(脳)に分けられます。発症する前庭疾患の多くは末梢性が多く、中耳炎や内耳炎、老犬での特発性前庭疾患などがあります。症状は頭が傾く斜頚や目が揺れてしまう眼振、真っ直ぐ歩けなくなる旋回、また気持ち悪くなり嘔吐したり食欲不振になったりします。
数日から数週間で改善し、症状が消失する場合が多いですが、後遺症が残ったり再発することもあります。老犬に発症することが多いため、対症療法が必要なケースもあるため、この様な症状が見られたら、動物病院に相談しましょう。
当院では2ヶ月に一度、梅田裕祥 先生(横浜どうぶつ眼科 院長)による眼科検診を行っております。
日頃、「眼やにが多く出るようになった」「眼がしょぼしょぼするようになった」「眼が白くなってきたように見える」「物にぶつかる回数が増えてきた」などの症状や眼に関することならなんでもご相談いただけます。診療は予約制となっておりますので事前にお問い合わせ・ご予約ください。
開催予定日につきましては、お知らせなどにて告知いたします。
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当ページをご覧いただきありがとうございます!神奈川県高座郡寒川町にある動物病院「ウッディ動物病院」ではこの度、ホームページ開設にともなってウッディ動物病院コラムをはじめました。
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